人の変化をじっくりと支援したい

―インストラクターとしてフォトリーディングを教えていて、一番やりがいを感じるのはどんなときですか?

やっぱり、人が変わっていく瞬間を見られることですね。結構ね、最後までこちら側の世界に来ない人がいるんですよ。「フォトリーディングできると思ってます」とか言うんだけど、実は自分の固定観念から抜け出せないで苦しむ人が。そういう人たちが、最後にがらっと変わるというのは、「やったぜ」みたいな感じですよね(笑)。

あとは、講座の終わりには皆さん本当に自信をつけて帰られる。その扉は受講生の彼ら彼女らが自分で開いているわけですけど、そのお手伝いができるというのは、本当にありがたいなと思います。

変わるということについて言うと、「継続」も大事になってきます。フォトリーディングの集中講座は、結構大変な講座なんですね。初日の夜なんてみんな混乱状態。2 日目もがんばって、その日の午後にやっと、パズルの大きなピースがガチャンガチャンとはまるような感じの人が多いです。もちろん初日で変わる人もいるし、2 日目の夕方にようやく「あ、できた」といって変わる人もいる。タイミングは多様ですが、それは共通して大きな「気づき」なんですね。

そして、2 日間の講座のあとも、フォローアップや再受講で継続的に受講生を見ていくと、必ず、そこからさらに上昇気流に乗っていくところに立ち会えるんですよ。そうすると、その人はもう勝手に成長していきます。そうなると、いろいろなものを一緒に創ることができるようになる。僕は、やっぱりここをやりたいんですよね。共に創りたい。

―そういった、長期的な視点で人を育てることをやっていきたいと思われたのは、いつごろからなんですか?

独立して最初の 3~4 年はセミナーだけを夢中でやっていて、その考えは起きなかったんですよ。ですから、東村山に戻ってきたころ、つまり、自分は経営支援をする立場なんだよな、と改めて思った時期からですね。

突き詰めると、そもそもセミナーは自分のためにやっていたんです。フォトリーディングとマインドマップという、自分が診断士の勉強のときに使ってよかったツールを、もっと鍛えたいからインストラクターになった。でも、セミナーというものはやはり単発です。経営支援をやりはじめて、そうではないものの見方をしたときに、もっと継続して人と関わり、変化を支援したいなという気持ちがむくむくと芽生えてきたんですよね。講座のフォローアップでもある勉強会「月刊まつかつ」を始めたのもそのころです。

自分を見つめる。自己受容する

―「月刊まつかつ」では、どんなことをしているんですか?

オフィスの壁に貼られた会社の理念

ワークショップですね。基本的には、僕の会社の理念である「共に育む、共に創る」の実験の場です。みんなでわいわい言いながら、何かを見つけていく。

もともとは、講座のフォローアップの場として2008 年 10 月にスタートしました。マインドマップとフォトリーディングは、やはり講座の縛りがいろいろあるので、その外でもっと伸びやかに仲間と何かやりたいなと思ったんですよ。で、毎月やる覚悟で「月刊まつかつ」と名づけて。でも、これがまたいろいろなことを見つけてきてくれるんですね。新しい講座のアイディアとかね。

もう 1 つ、「月刊まつかつ」では、振り返りのワークを必ずやるんです。マインドマップを使って、自分の 1 ヵ月間をさまざまな観点から振り返って、仲間と話す。人って、結構いろいろなことをやっているのに、それを忘れたまま前に進むんですね。それを書き出してみると、自己受容できるんですよ。あるいは、何が学びだったかということが明確に見つけられるんです。

僕はフォトリーディングの講座でも皆さんに言いますけど、我々日本人は特に、自己受容する習慣がない人が多いですよね。だから、自分を褒めない。でも振り返ると、自分を褒められるはずなんです。ちゃんと自分を褒められると、自分のことが信頼できる。未来にある何かではなく、いまの自分をちゃんと見つめたら、そこからスタートできます。その時点でもう、前に進んでいるんですよね。

―そうですね。いま社会に出て働いている人の中には、自己受容ができずにつらさを感じている人がとても多い気がします。

たいがいそうですよね。本当にかわいそうです。そういう意味では「場」ですよね。場の力はものすごくある。フォトリーディングも同じです。さきほど、フォトリーディングを教えるやりがいで個人の変化についての話をしましたけど、一番はやはり場の楽しさです。以前、「完全主義者の自滅傾向に効く処方箋」という文章をみんなでフォトリーディングしたあと、僕の方でホワイトボードにマインドマップを書きながら、みんなで議論をしました。そうすると、1 人では絶対に行けなかった領域の気づきをみんながポーンとするんですね。その場が、ちゃんと学びの場になっているんです。それがすごくおもしろい。ほとんどの仕事では、あんなふうに共に創る関係はできないんですよね。講座は、仲間とのエネルギー交歓の場。それはぜひ体験してほしいです。

いま話していて思うんですけど、僕自身、初めからきちんとした目標があって努力を積み重ねて、というタイプではない。仲間や受講生など、いろいろな人と関わる中で気づかせてもらいながら進んでいます。

オフィスの壁に貼られた会社の理念

―フォトリーディングは、集中講座の受講料が 10 万 5000 円と、決して安くはないですよね。フォトリーディングに興味はあるけれど、受講料を前に躊躇している方に対して、何かメッセージはありますか?

ああ、なるほど。ちょっといま考えますね…。そうですね、1 つには、来たら当然変われるよ、というメッセージがあると思うんです。でも一方で、それは届かないかな、という気も僕はするんです。やはり、こういうのは縁だと思うんですよ。自分の中で本当に行きたいと思うタイミングが来たら行けばいいという部分がすごくある。ですから、自分の欲求というものをぜひ見つめてみてほしいと思います。

「来ようかな、どうしようかな」と迷っているときというのは、自分の意識がフォトリーディングにあるんですよ。だけど、大事なのは自分なんです。自分はどう変わりたいのか、どう成長したいのか。そうやって自分に矢印を向けてみる。そうすると、そのための方法には、フォトリーディングもあるし、ほかのツールもいろいろある。その情報を集めてみたとき、たぶん、自分で決められると思うんです。ですから、ぜひ自分の方に意識を向けてみてください。僕らインストラクターは、「来たら任せて」とみんな思っていますから。

聞き手:山下聡子
(2012 年 7 月 株式会社MatsuKatsuにて)